2012年11月4日日曜日

11月2日 死者の日

 エクアドルでは、11月2日は「DIA DE DIFUNTOS(ディア デ ディフントス)」で祝日でした。意味は「死者の日」です。日本で言うお盆みたいな日です。この日は、エクアドル人も墓参りを行います。この日は、死者が生き返ることができるという意味もあるそうです。

この日には特別な飲み物と食べ物があります。COLADA MORADA(コラダモラダ)というジュースと、PAN DE GUAGUAS(パンデグアグアス)というパンです。
左のパンが「パンデグアグアス」。
右のジュースが「コラダモラダ」。
コラダモラダとは、トウモロコシの粉をベースにキイチゴなど数種類のフルーツから作られる温かい飲み物です。

死者の日にコラダモラダを飲む伝統は、インディヘナの文化です。スペイン人が侵略する前から、この飲み物は飲まれていました。インディヘナが作っていたコラダモラダは、数種類のトウモロコシの粉とキイチゴから作られていたそうです。
昔のコラダモラダの材料。
手前は、黄色いトウモロコシと黒いトウモロコシ。
奥の壺には赤いトウモロコシ。
左の皿に入っているのが、キイチゴ。
スペイン人が南米に住むようになり、キイチゴ以外のフルーツ(パイナップルやイチゴなど)も入れるようになったそうです。なぜ、このコラダモラダを死者の日に飲むかと言うと、このジュースは死者の血を表現しているからです。なので、赤紫色なんです。

パンデグアグアスとは、子供の形をしたパンです。
パンデグアグアス。
グアグアスとは、インディヘナの言語で「子供たち」という意味です。このパンを食べる習慣もインディヘナの文化から来ています。

では、「なぜ、死者の日なのに子どものパンなのか?」。

誰もが持つこの疑問を同僚に聞くと以下の返答が返ってきました。
「昔、子どもが生まれて間もない頃、全身を白い布でぐるぐる巻きにすると、骨が頑丈になると信じられていたので、新生児はミイラのようにぐるぐる巻きにされていた。また、重要な人物が亡くなった際には、全身を白い布でぐるぐる巻きにして埋葬していた。死者が白い布でぐるぐる巻きにされている様子と新生児の頃に行われていた骨頑丈トレーニングの様子が似ているので、子供の形をしたパンを死者に例えている。」と。

実に興味深い話です。個人的な意見ですが、パン屋さんの立場からしても、死者のパンというフレーズで売るよりも「子供のパン」という名前の方が売りやすかったのかもしれません。

エクアドル人は今でも、この日は墓場に行き、そこでコラダモラダ(死者の血)とパンデグアグアス(死者のパン)を食べます。多分、生きている人々がそれらを飲んだり食べたりすることで、死者を生き返らせる、この世に戻すという意味合いが含まれているのだと思います。

私は墓参りはしていませんが、4杯のコラダモラダと4個のパンデグアグアスを食べました。二つとも実においしいんです。私にとって死者の日はおいしい日でもあります。



2 件のコメント:

  1. パンデグアグアス言いにくい(^_^;)                  でもおいしそうですね。                             昨日久しぶりにヒットを打ちました。                                                                                        翔太

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  2. おめでとう!ヒット。ナイスバッティング!ほんま、応援しに行きたいわ。エクアドルから次のヒットを期待してます

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